真夏の暑い日にキンキン冷えた缶ビールやコーラを飲みたいと思うことがあります。
ただ、お店で冷えているのを買ってきて飲もうとしても帰宅中の温度で上がってしまい、飲むときにはあのキンキン感は味わえません。
そこで、早くキンキンに冷やして飲むために缶ビールやコーラを冷凍庫で冷やす方もいるのではないでしょうか。
しかし、この行為は大変に危険です。
なぜならば、冷凍庫に入れている時間にもよりますが、内容物が凍るくらいの長時間、中に入れていると中身が破裂して、最悪、怪我や冷凍庫が破損する可能性もあるからです。
しかしそんな炭酸飲料も正しい方法で凍らせることができます。
この記事では炭酸飲料を冷凍庫に入れるとどうなるか。また、正しい凍らせ方について解説しています。
(見出し2)炭酸を凍らせるとどうなる?
(見出し3)未開封の場合は破裂する
まずは、水が液体から個体になると体積が増えます。その体積が増えた分だけのスペースがあれば問題はないです。
しかし、ペットボトルや缶を未開封のまま凍らすと体積が増えるスペースがないので、容器に負荷をかけて膨張してしまいます。さらに、膨張して耐えきれない場合は容器が破損します。
では、缶ビールや炭酸水の場合はどうなるのか?まず炭酸水は、水と二酸化炭素という気体からできています。
水はそのまま凍りますが、気体の二酸化炭酸は凍ることはないです。ですから、水に溶けている二酸化炭素は水から抜け出し外に出てしまいます。
それで、水が凍って容器が膨張しているところに、炭酸の気体が加わるので容器が耐えきれずに破損。そこから一気に気体が漏れ出すので破裂・爆発します。
缶飲料に関しても同じ現象です。また、缶飲料は破裂・爆発すると断面が鋭利な刃物のようになるので、取り扱いには注意しましょう。
なお、一度開封した状態で凍らせれば大丈夫だろと、思われるかもしれませんがそうではありません。
なぜならば、開封した状態でも体積が増えるスペースが無ければ、容器に負荷をかける状態は変わらないので膨張したり、破損したりします。
逆に少し飲むなどをして体積が増えても大丈夫なスペースを作れば、凍らせることはできます。
(見出し3)炭酸と味が変わる
ペットボトルや缶を未開封なまま凍らせると破裂や爆発をすることは分かって頂けたと思います。では、破裂しないような状態で凍らすと炭酸や味はどうなるのでしょうか。
(見出し4)炭酸の変化
まず、気になるのが炭酸を凍らせると炭酸の量はどうなるのかです。結論から言いますと減ります。
それはなぜかと言うと、まず上記で、炭酸水は凍らせると水と二酸化炭素に分かれることを説明しました。そして、この二酸化炭素は、水が個体から液体になるときにまた水に溶け込もうとしますが完全には戻りません。
ですから、戻りきれなかった炭酸が蓋を開けたときに抜けてしまうので減ります。
このように、炭酸を凍らせると炭酸は若干ですが弱くなる可能性があるので、コーラや缶ビールなど炭酸を残して飲みたいなら、凍らせないで飲んだ方が良いです。
(見出し4)味の変化
次は味です。では、砂糖水を例に解説していきます。
まず、凍らせた砂糖水を完全に溶かしきれば元の味に戻りますが、解凍が途中の状態で飲むと味が濃くなります。
これはなぜかというと、水は0℃で凍りますが、砂糖は0℃では凍りません。
そこで、水と砂糖が分離してしまい、そして、その砂糖は凍ることがなく凍った水のまわりに残ります。
そこから水が溶け出すと、まわりにある砂糖と溶け出す水が混ざりますが、しかし、水は徐々に溶けていくので、最初のうちは糖分が多く味が濃くなるのです。
これはどの飲料水でも同じなので、元の味で飲みたいのならば8,9割方解凍してから飲むのが良いかと思います。
(見出し2)すでに炭酸を凍らせてしまった時の解凍方法
(見出し3)自然に溶けるのを待つ
炭酸水や缶ビールを誤って完全に凍らせてしまった場合は、自然に溶けるのを待ったほうが安全です。なぜならば、急激に温めると熱で膨張して爆発します。
ですから、できるだけ温度変化が少ない場所で、ゆっくりと時間をかけて溶かしましょう。冷蔵庫でも大丈夫ですが、破裂の危険はあるので安全を考えるならば、別なところにしたほうが良いです。
また、溶かすときに水滴が大量に出てその場に水が溜まります。ですから、溜まっても良いような場所、たとえば、お風呂場やシンクの中などが良いです。
(見出し3)衝撃を与えない
凍らせてしまったペットボトルや缶を冷凍庫から取り出すときは、衝撃に気を付けましょう。なぜならば、凍って膨張しているペットボトルや缶に衝撃を与えると破裂する可能性があるからです。
ですから、冷凍庫から取り出すときは静かにゆっくりと取り出しましょう。安全を考えるならばタオルなどで手をガードしながら取り出すと良いです。
解凍中も衝撃を与えると破裂する可能性があるので、完全に溶けるまで待ちましょう。
(見出し2)炭酸を冷凍庫で凍らせる方法
どうしても炭酸水や缶ビールなどを凍らせたいと思う方は、以下の方法で安全に凍らせることができます。
(見出し3)保存袋を使う
最初の方法は、冷凍用の保存袋を使う方法です。やり方は、炭酸水や缶ビールの容量に合わせた保存袋を用意します。そこに炭酸水や缶ビールを入れてジッパーを閉じて、冷凍庫で凍らせるだけです。これなら、破裂する心配はなく安全に凍らせることができます。
また、保存袋で凍らせた炭酸水や缶ビールを手で軽く揉んでみましょう。そうすれば、かき氷のようなシャリシャリの状態になるので、コーラ味のかき氷やビール味のかき氷などのさまざまな味が楽しめます。
(見出し3)中身を減らす
次の方法は、容器の中身を減らす方法です。未開封の容器が破裂する原因は、凍るときに体積が増えて膨張しその圧力に耐えきれずに破裂すると解説させて頂きました。
それなら、一度開封をして体積が増えても大丈夫なくらいのスペースを開けておけば安全に凍らせることができます。
減らす容量は全容量の10%程度で良いです。たとえば、500mlのペットボトルなら一口程度でしょうか。そのくらいの量を減らすことで破裂しにくくなります。ただし、冷凍するときに飲み口を上にしないと、その部分が凍ってしまい中身が出にくくなるので注意しましょう。
(見出し3)フローズンドリンクにする
こちらの方法はペットボトルの炭酸水をフローズンドリンク(シャーベット状)にする方法です。やり方は簡単で安心してシャーベットを作れます。ただし、冷凍庫に入れておく時間は守りましょう。なぜなら、時間を守らないと破裂する可能性があるからです。
作り方は以下の手順です。
- 未開封の炭酸水が入ったペットボトルをよく振ります。
- その振ったペットボトルを冷凍庫にいれます。
- 3時間半待ちます。時間が過ぎると破裂する可能性があるので、時間は守りましょう。タイマーなどを使うと忘れるのを防止できて安全です。
- 冷凍庫からそっと取り出します。
- 蓋をゆっくりと開けて炭酸を出します。
- ペットボトルを数回叩きます。
- 違う容器や皿などに移す。
この手順で凍らすと失敗することもあるようですが、シャーベット状にすることができます。
なぜこのような現象が起こるかというと、過冷却という仕組みで凍らせているからです。過冷却は水をゆっくりと冷やしていくと起こる現象です。
(見出し2)炭酸飲料を冷凍フローズンドリンクに(まとめ)
冷えた炭酸水や缶ビールを飲むと美味しいですが、急いで飲みたいからといって、冷凍庫で長時間冷やすと破裂・爆発する危険ですから止めましょう。
もし、冷凍庫に長時間入れて凍らせてしまったら、衝撃などに注意してゆっくり溶かすと安全に解凍ができます。
なお、冷凍用の保存袋に移したり、フローズンドリンクの作り方で凍らせれば、さまざまな味のかき氷やシャーベットが楽しめるのでオススメです。